FTAとは IINetwork

FTAとは

FTAとEPA

EPA = Economic Partnership Agreement(経済連携協定)には
①関税撤廃・削減
②サービス業の規制緩和
③投資環境の整備
④ビジネス環境の整備
などの項目があり、そのうちの①を
FTA = Free Trade Agreement(自由貿易協定)と呼びます。
経済産業省などでは、FTAのことを広い意味でEPAと呼んでいることがありますが、
関税に関しては同じことと考えてかまいません。
ちなみにTPPはこのEPAの環太平洋版です。

FTAを活用すると、日本から相手国に輸出をする際、通常の関税率よりも低い関税率が適用される場合があります。(適用協定・品目・年次などによっては通常より高い場合もあります。)

FTAを使って輸入関税を減免することで数%~数十%のコスト削減となります
製品のVAで品質・機能を変えずにこれだけのコストダウンは難しいですよね。

輸入相手国の特恵関税の適用を受けるためには、輸出する産品が原産資格を満たしていることを証明する原産地証明書を取得し、輸入通関時にこれを輸入国税関に提出することが必要です。

詳しくは、経産省HP http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/epa/
     日本商工会議所HP http://www.jcci.or.jp/gensanchi/epazenpan.html

FTAの活用事例

A社
日本からタイの子会社へ部品の輸出においてEPAを利用。タイ子会社の輸入コスト削減で、連結採算の向上。
B社
関税削減メリットは、現地の販売価格に反映。関税が20%下がった場合、10%分は販売価格に反映、10%分は関税メリットとして自分たちが享受。
C社
日本からインドネシアの顧客へ輸出においてEPAを利用。EPAの利用によって、競合品よりコスト競争力があがり、売上が増加した。
D社
日本からタイへの輸出においてEPAを利用。現地入手価格が関税分安くなることで、値引き可能幅が大きくなり価格交渉が楽になった。
E社
日本からマレーシアへの輸出においてEPAを利用。同業他社もEPAを利用しているので、関税削減による価格の値下げをしないと競争上不利になる。
F社
日本からアセアンの顧客への輸出においてEPAを利用。関税削減をすべて顧客に還元する代わりに定期価格改定の値引きにカウントしてもらう。
出典:JETRO資料より

      採算向上の手段だけではなく、売価戦略の重要な武器となる

第三者証明と自己申告(自己証明)

FTAは日本国との協定ですので、輸出産品は日本産という条件が付きます。
その証明を日本商工会議所にしてもらうのを、「第三者証明」と言います。
その際の証明書を「特定原産地証明書」と呼びます。

オーストラリア・EU・TPPなどでは商工会議所を経由しない「自己申告」という方法があります。
自己証明は商工会議所に証明書を出してもらう手続きがなくなるという時間とコストのメリットがありますが、輸入国税関の検認などを直接受けることになります。
いきなり英語(とは限りませんが)の文書が届いたら慌てますよね。

第三者証明では商工会議所のチェックが入っているという信頼性があることと、輸入国税関の検認などの窓口となって直接企業に問い合わせがこないこと、商工会議所だけで回答できることがあるという防波堤の役割が大きいと思います。

いずれにしても原産品判定は生産者で行う必要があります。→F-Box

特定原産地証明書の申請手続きは、日本商工会議所のHPに動画での解説もあります。
特定原産地証明書発給申請マニュアル
http://www.jcci.or.jp/gensanchi/epa_manual.html
動画による解説
http://www.jcci.or.jp/international/certificates-of-origin/epa-douga/annai/index.html